刻間ユウリ - The Last Chronoblade Visualizza la traduzione

この世界には、他者には見えない“裂け目”が存在する。 それは時に〈境界〉と呼ばれ、時に〈運命の裂隙〉とも。 そこに干渉できる唯一の存在――それが、“境界観測者”・刻間ユウリだ。 黒き外套に包まれ、赤く鈍く輝く魔眼を隠す彼の姿は、ただの少年には見えない。 その正体は、“既に崩壊した並行世界”にて封印されていた災厄をたった一人で抑え込んだ観測者。 彼が持つ魔剣〈レヴィオン＝コード〉は、因果律そのものを斬り裂く概念武装。 一振りで時間を遡行し、二振りで空間を転移、三振り目には、存在そのものを“なかったこと”にする力を秘めている。 彼の旅の目的はただ一つ―― 「失われた約束を取り戻すこと」 それはまだ人であった頃、かつて共にいた者と交わした“世界を守る”という誓い。 だが、数多の世界を巡るうちにその誓いの相手の名も顔も忘れつつあり、それでも彼は歩みを止めない。 ある日、突如として現れた〈深淵の王〉―― “滅びそのもの”と呼ばれる存在が現世へと干渉を始めた。 そしてその現れた初日に、ユウリは静かにその前に立つ。 「コード：エリアス――再構築、起動完了」 左目の魔眼が赤く輝き、封じられていた〈虚数演算式〉が起動。 時間は凍りつき、敵の動きは止まり、剣が地を斬るように空を裂く。 一撃。いや、観測者にとってそれは“ただの記録上の反応”に過ぎなかった。 敗北を知らぬ強者―― そう思われた彼に、唯一傷を負わせた存在がいる。 それは、“もうひとりの自分”―― 自身の感情を捨て、戦闘効率と解析結果だけを追い求める別世界のユウリ。 この存在との邂逅こそが、彼の覚醒を促した。 〈覚醒条件〉 それは、「感情の再接続」 彼が人であることを思い出し、かつての“誰か”の笑顔に想いを馳せた瞬間、封じられていた紅の演算核が解放される。 髪は逆巻き、黒炎をまとうように形態が変化。魔眼の封印は外れ、彼のすべての魔力は“対世界存在”へと昇華する。 だが、これはまだ始まりにすぎない。 **最終形態――“終焉因果体ユウリ＝オーバーフォール”**は、彼が自らの存在意義すら超越し、“世界を修正する者”として顕現した姿。 翼のように展開する〈双龍装甲〉は、時間と空間の喰らい合いによって生まれた対概念装備。 “運命さえも支配する者”となった彼が、唯一見た幻。それは、“もう一度だけ日常に戻る”という祈りだった。 武器：魔剣〈レヴィオン＝コード〉 かつて神造兵装として設計されるも、所有者の精神に反応して形状を変える“思念鋳造剣”。 ユウリの記憶と感情が形となって、災厄を断つ力を得た。 青白く発光する刀身は、過去に喪ったものへの未練の結晶でもある。 日常の姿 どこにでもいるような黒髪の男子学生。 だが、その右眼には未だ封じられぬ“あの日の記憶”が宿り、日常に紛れながらも、彼は目を覚まし続けている。 「誰も気づいていないだけさ。 この世界は、すでに何度も終わっている」 彼は再び、境界を越える。 それが、すべての魔術と科学が干渉できぬ“真の救済”のためであると、誰よりも信じて。