6/16に「Illustrious-XL-v3.0」が公開されました。
今回も最初に触れる方向けに、使用感をレポートしてみます。
Illustrious-XL-v3.0 導入編
1.モデルについて
ご紹介する「Illustrious-XL-v3.0」はこちら。
SeaArtとOnomaAIがタッグを組んで制作したモデルとのこと。

公式情報によりますと「コントロールトークン」なるものが用意されており、これらを駆使することで画像処理や色調補正等の細かな調整が出来るそうです。
今回はこの機能にフォーカスしてみようと思います。
URL
2.コントロールトークン
コントロールトークンについて先に説明しておきます。
このモデルには以下6種類のトークンが用意されています。それぞれ設定可能なトークンを記載していきます。
トークンをプロンプトに追加することで、活性化する仕組みのようです。
※効果が弱い順から並べています。
【Contrast(コントラスト)】
low contrast
medium contrast
high contrast
very high contrast
【Brightness(明度)】
dark
normal brightness
bright
very bright
【Sharpness(シャープ)】
blurry
slightly sharp
sharp
very sharp
【Dynamic Colors(ダイナミック色補正)】
static colors
medium dynamic colors
high dynamic colors
very dynamic colors
【Colorfulness(カラフル)】
monotonic colors
medium colorfulness
high colorfulness
very high colorfulness
【Saturation(彩度)】
muted colors
average colors
vibrant colors
very vibrant colors
各パラメータの意味ですが以下のようなものと認識しています。 ※ダイナミックカラーはちょっと自信無い
◆Contrast:明暗差強調
低:明暗差がなくのっぺり
高:明暗差がありメリハリ
◆Brightness:明るさ調整
低:暗い
高:明るい
◆Sharpness:輪郭をくっきりさせる
低:ぼやける
高:くっきり
◆Dynamic Colors:重要箇所の明彩度を自動補正
低:弱調整
高:強調整
◆Colorfulness:色の多彩さ
低:モノクロに近い
高:鮮やか
◆Saturation:色の鮮やかさ
低:グレーに近い
高:純色(真っ赤とか真っ青)
URL
3.サンプル画像
今回は同一のサンプル画像を使って5つのテーマに沿ったトークン設定で結果がどう変化するか紹介します。
様々な画像での検証や各パラメータの詳細分析等は上級者の方々の続報を待ちましょう…(期待の眼差し)
サンプル画像はこちらです。

この画像の各種設定とプロンプトは以下の通りです。登場人物はLoRaを活用しました。
【各種設定】
・モデル: Illustrious-XL-v3.0
・LoRA: Princess Aria
・生成モード:品質
・画像設定:1536x1536(1:1)
・サンプリング/CFGはモデル推奨値
・ネガティブプロンプト:On
【プロンプト】
王宮の夜、視聴者の視線を奥へと導く対角線構図の豪華な王宮の廊下、大理石の柱と燭台が均等に整然と並んだ廊下に月光が差し込んでいる、1girl、道を案内する後ろ姿のプリンセスが振り返った顔にフォーカス、後方からのカウボーイショット、彼女の肩越しに広がる廊下、丁寧に一本一本描き込まれた金髪、青と白を基調としたロイヤルドレス、理想的なプロポーション、信じられないほど詳細まで描かれた衣服と背景、傑作、最高品質、超高精細アニメスタイル
サンプル画像の設定とプロンプトを固定し、さらに固定シードをOnにした状態で、トークンのみテーマに沿って変化させます。
さてどのような変化があるのか、早速試してみましょう!
URL
4-1.ナチュラル表現
【狙い】落ち着いた色表現で輪郭も柔らかく。重要な部分だけダイナミックカラーで強調。
【追加トークン】low contrast,normal brightness,blurry,very dynamic colors,monotonic colors,average colors




狙い通り全体的にサンプルよりもくすんだ色合いで柔らかい雰囲気が出ていると思います。
URL
4-2.インパクト表現
【狙い】全体を明るく鮮やかに極端にメリハリをつける。手動調整を優先してダイナミックカラーは控えめ。
【追加トークン】very high contrast,bright,very sharp,medium dynamic colors,high colorfulness,vibrant colors




分かりやすく鮮やかで明るい雰囲気になりました。ナチュラル表現と比較すると明らかに違いがありますね。
URL
4-3.ドラマティックシネマ表現
【狙い】暗めのトーンで雰囲気を演出。コントラスト強調とダイナミックカラーで立体感を出す。
【追加トークン】very high contrast,dark,slightly sharp,very dynamic colors,medium colorfulness,muted colors




ナチュラル表現と近い雰囲気ですが、コントラストを高めた分、廊下の先や窓の外等がはっきり見える気がします。
URL
4-4.ノスタルジック表現
【狙い】色味を極限まで抑えてシャープさを削ってぼんやりさせる。コントラストは最低限のみ。
【追加トークン】medium contrast,dark,blurry,medium dynamic colors,monotonic colors,muted colors




こちらもナチュラルと近いですが、ドレスの青のくすみ具合や光のぼやけ方が強く感じます。
URL
4-5鮮やかなアート表現
【狙い】色味を極限まで鮮やかにして輪郭も強調する。ダイナミックカラーも活用。
【追加トークン】very high contrast,normal brightness,very sharp,very dynamic colors,very high colorfulness,very vibrant colors




これは分かりやすいですね。全体的にはっきり鮮やかに表現されました。
URL
おわりに
というわけで、今回はIllustrious-XL-v3.0を使って遊んでみました。
簡単なコントロールトークン設定で様々な画処理/色調補正が出来る面白いモデルだと思います。
本記事が皆さんがこのモデルを触ってみるきっかけとなれば幸いです。
ありがとうございました!
本記事の画像を見たい方は、以下に公開しておりますのでご自由にご覧下さい。
















