こんにちは。
皆さんがこの記事を見て下さる頃には、Cryptic Force のイベントも募集は既に終了していますが・・・
今回は私がこのイベントに投稿した作品の中から、Cryptic Girl が PC画面 から飛び出す部分について、どのように生成したかを解説してみたいと思います。
おそらく、今回の作品の制作において、このようなシーンを含めたイメージを考えられた作者さんは多かったと思います。ですが、実際にこのような表現をされていた作者さんがほとんどいなかったということもあり、今回情報を公開しようと思います。実際には私も完全に納得できる仕上がりというわけでも無く、画質もやや劣化した品質になっていますが、この記事に興味を持たれた方は、これを参考により魅力的な作品を制作していただけたら幸いです。
～参考作品～
今回私が制作した動画へのリンク（今回は、これらの動画の中の一部分について説明します）
My Cryptic Force: Infinite Possibilities (Prologue)
My Cryptic Force: Infinite Possibilities (Prologue_01 with BGM)
My Cryptic Force: Infinite Possibilities 02
～動画モデルの選択～
私の場合、一貫した一連の流れのある作品を生成する場合は、SeaArt Ultra を使用することがほとんどです。
SeaArt Ultra を使用する一番のメリットは、動画の開始フレームと終了フレームを指定できるため、複数の生成済み動画を繋いだ際に比較的自然な演出を表現できて、余分な編集の手間が省けるからです。（ これが俗に言われる「A to B」と呼ばれる生成法です。）
プラン導入時の注意点
※ なお、SVIPの品質モードを使用可能なプランでないと開始と終了フレームを指定しての生成はできませんので、ご注意を。
※ SeaArtの提供サービスは不具合が多いので?性を重視される方のプラン購入は充分ご検討のうえ判断されることをお勧めします。
ただし、他社の動画生成サービスと比較した場合、非常にコストパフォーマンスに優れているのが利用ユーザーが多い最大の理由でもあります。
※ 月額制プランですので、購入後満足できない場合は継続購入を解除すれば翌月から支払いは発生しません。（継続解除のタイミングにもよりますが）
※ 不具合等を理由に解約される場合、公式へ意見されることは良いと思いますが、公の場で批判的な情報を拡散するのは控えましょう。
情報共有のための事実情報の提供は推奨されますが、ネガティブな発言の拡大は、他のユーザーからも良く思われないでしょう。
あなたの価値を下げることになりかねません。
今回使用した公式モデルのリンクはこちら
→ SeaArt Ultra
この記事の執筆時点では、SeaArt Ultra を使用していますが、 SeaArt Ultra Pro 2 等のより進化した素晴らしいモデルも登場しました。
今後これらにも開始と終了フレームを設定する機能が追加されれば、より高品質な動画を生成できるようになりそうですね。
～ベース画像の準備～
動画モデルについて先に説明させていただきましたが、まずは開始と終了フレームに使用するベース画像を準備します。
ベース画像の作成方法はこちらをご参照ください。
→ Canvas を活用した編集 (Editing With Canvas)
今回の生成では、下記のベース画像を使用しています。
（A）開始フレーム（Canvasにて加工した画像）
（B）終了フレーム
(A to B の) AI動画生成ではこのフレームの中間部分をAIに生成してもらうイメージになります。
そのため、あらかじめ全体のイメージを考案してからベース画像を生成するのが望ましいでしょう。
～動画生成～
それでは、ここからが本題の動画生成のポイントになります。
今回、私のイメージする出力結果として「画面突破」と「被写体の接近」という要素を重視して生成をしていきます。
最初にお断りしておきますが、これを参考に生成されても100％成功する保証はありません。
あくまでプロンプト定義の考え方のひとつとして捉えていただけると良いと思います。
【 TAKE 1 】
まずは、イメージを出力するために試行錯誤しながら下記のプロンプトで生成したところ以下のような結果が出力されました。
（下記は日本語で入力したものの英文変換になります。システム更新により入力当時のものとは異なりますがご了承ください。）
【参考プロンプト】
PC画面の中に被写体が閉じ込められています、まるでモニターが液状化したかのように歪み始めます。被写体は手を伸ばし、モニターを突き抜けると、粒子状に分解されながら現実世界へと脱出。光の粒が彼女の体を再構成し、ついにPCの外へ完全に出現する。カメラはダイナミックに動きながら、この超現実的な瞬間を捉え、まるでデジタルの世界から解き放たれる様子を映画のように表現する。背景はデジタルモザイクのディゾルブによって変化します。
breaking down into particles、the subject is trapped inside the PC screen。When the subject reaches out and、penetrates through the monitor、escapes into the real world while。particles of light recons***ute her body、and finally completely appear outside of the PC。the camera moves dynamically while、,、The background changes due to the digital mosaic dissolving I will {x} express how you are freed from the digital world like a movie。it begins to distort as if the monitor had liquefied。
※プロンプト記述のポイント
- 画面を突破させるために、モニターが障壁とならないように液状化の効果を付与
- 被写体の一部でも画面を抜けやすくなると考えて最初に画面の外に手をつかせてみました
- 画面の通過を補助するために粒子分解を経由させてみました
- 画面からの脱出を完全なものにするため、「完全に」という補足を記載
上手くいきません・・・
【 TAKE 2 】
プロンプト記述に関しては、経験上、情報が多すぎて上手く生成できないこともあるのでカメラワークの記述をシンプルにして、より短い文章にしてみます。
【参考プロンプト】
PC画面の中に被写体が閉じ込められています、まるでモニターが液状化したかのように歪み始めます。被写体は手を伸ばし、モニターを突き抜けると、全身を通過させてPCの外へ完全に抜け出します。カメラは後方に下がりながら、PC画面を突破してくる彼女の全身を正確に捉えます。彼女がPCから脱出すると、背景はデジタルモザイクのディゾルブによって変化します。
breaking down into particles、the subject is trapped inside the PC screen。When the subject reaches out and、penetrates through the monitor、passes through her whole body and completely escapes out of the PC。camera falls backwards and、breaks through the PC screen to accurately capture her whole body。When she escapes from the PC, the、it begins to distort as if the monitor had liquefied。
※プロンプト記述のポイント
- カメラワークのプロンプトをシンプルな表現に変更
抜け出してはくれましたが、途中スタイルが大きく変わってしまいました。もっと突破するときの勢いも欲しいですね・・・。
【 TAKE 3 】
【参考プロンプト】
少女は勢いよくこちらをめがけて飛行しながらこ急接近します、PCモニターのフレームを潜り抜けて、PCの中と外をつなぐポータルを通過してきます,
the girl rapidly approaches while flying vigorously towards us、Go through the frame of the PC monitor、and pass through a portal that connects the inside and outside of the PC,
※プロンプト記述のポイント
勢い良く接近してくる表現に変更
画面を抜け出す過程が中間部分となるため表現を簡素化
多少勢いは表現されましたが、画面を突破しなくなってしまいました。
どう表現したらよいのか・・・
AI生成では、ここが楽しみでもあるのですが、うまく生成できないと悩みの種であり、嫌になってきますよね(笑)
このような状況に陥った場合は視点を変えて異なる発想を模索します。（といっても、毎回良い解決策が見つかるわけではありませんが・・・）
【 TAKE 4 】
そもそもどこに問題があるのかを考える・・・
今回の場合は、CrypticGirl が接近してくる表現をしたかったのですが、PCを突破した直後、既に接近しているので近寄ってくるスペースがないことが要因ではないか？ と考えました。私はこれを解決するために、CrypticGirlをその場に留めて、PCを遠ざける表現に変更してみました。
【参考プロンプト】
PC画面に映し出した少女をその場に留まらせて、ゲーミングノートPCの本体だけが勢いよく奥に遠ざかります、画面を突破して勢いよく排出された少女は飛行して正面に立ちます。次に、デジタルモザイクとディゾルブの効果によって背景が変化します。
Let the girl projected on the PC screen stay in place、only the main body of the gaming laptop will move briskly away to the back、The girl who has broken through the screen and is vigorously ejected will fly and stand in front of you。next、the background changes due to the digital mosaic and dissolve effects。
※プロンプト記述のポイント
- 被写体を固定してPCを遠ざけるという相対的な位置関係の表現に変更
PC画面から飛び出す際の被写体の繋がりは途切れてしまいましたが、この表現によって最初にイメージしていた「画面突破」と「被写体の接近」という要素はクリアすることができました。
この後も何度か生成を試みましたが、確実に同じような表現ができるわけではありませんでしたが、少しでも皆様の生成のご参考にしていただければ幸いです。
～編集後記～
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少し話題が反れますが、単体の生成結果については、他のクリエーターの作品のプロンプトを閲覧することで、実はこのような表現方法を学んでいる方も多いです。
そして、中・上級ユーザーの多くは、プロンプトに関する技術を共有するために公開してくれていたりします。
しかし最近では、他社の作品を完全にコピーした作品がコンテストなどに投稿されるケースが増えてきているため、作品の盗用を防ぐためにプロンプト情報を意図的に非公開とする投稿も増えてきました。
技術を学ぶことは良いことですが、著作権を侵害する行為は絶対にしないように注意しましょう。
